雇う側の視点…それも大切ですよね
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20080711ddlk10100487000c.html
県が5月1日に藤岡と伊勢崎両市に開設した障害者就業支援センターが好調な滑り出しをみせている。目標の年間各10人に対し6月末までにすでに計5人が就職した。しかし、センターの役割は就職だけでなく、障害者と会社双方の不安解消にもある。6月から工場で働き始めた藤岡市の吉村仁さん(45)=仮名=と関係者の話から、センターの取り組みと障害者雇用の課題を探った。
吉村さんは自宅に両親とともに暮らす。若いころは東京で主に建築の仕事をしていたが、10年ほど前に藤岡に戻り近くの通所授産施設に通うなどした。精神障害に加え、東京時代の労働事故の後遺症が左腕にある。
藤岡に戻ってからはほとんど仕事はしていなかった。精神障害を告げずに一人でハローワークを回ったこともあったが、長続きしないことが多かった。
5月、藤岡に障害者就業支援センター「トータス」が開設してまもなく登録。所長の田沼俊之さんらの支援で、自宅から自転車で20分ほどのプラスチック工場に就職が決まった。「働きたいという気持ちはあった。みんなが協力してくれたからすぐに見つかった」と喜ぶ。仕事は週に5日、午前8時半から午後5時まで。手取り月給は10万円程度になるという。
田沼さんは「障害者雇用に前向きな会社があるとの情報があり、近くの施設に連絡して、通っていた吉村さんを紹介してもらった」と連携の成果を強調する。そして「吉村さん側はどんな仕事かと、会社側はどんな仕事ができるのかと不安だった。それを取り除いた」と振り返る。勤務先の社長は「会社として障害者雇用は3人目。周りの従業員の勉強にもなる」と語る。
田沼さんはもともと、センターの運営を委託されている社会福祉法人の職員。「これまでは雇う側の視点に欠け、『雇ってください』と押しかけていた」と反省、今は障害者雇用の基本や助成制度をまとめたリーフレット、障害者個人のプレゼンテーション文書を配ったりして「企業側の立場にも立って両者の距離を縮めたい」と動き回る。企業側からはフルタイム勤務の要望や、作業内容に沿った求人がほとんどだが、「トータスとしては障害者でもできる細分化した作業の創出を狙う」という。
吉村さんは月給の使い道について「大部分は貯金するけど、少しは好きなCDを買ったり、週3回通っている市営プールの入場料に使う」という。
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県内には、群馬労働局と県が共同で運営する同様のセンターが高崎、太田、吉岡、前橋の3市1町にもある。問い合わせは県労働政策課(027・226・3407)へ。【塩崎崇】
◇法定雇用率達成、民間企業は47%--07年度
障害者雇用促進法の定めでは、常用労働者が56人以上の民間企業は、うち1・8%以上障害者を雇用しなければならない。悪質な場合は企業名を公表されたり納付金が課せられることがある。しかし群馬労働局によると、07年度の県内の対象992社合計の雇用率は1・48%(全国1・55%)で、法定雇用率を達成している企業は47・2%(同43・8%)にとどまった。07年度の県内の障害者の新規求職者数は1397人、就職したのは687人だった。
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